【プロが解説】危険な万年塀を放置しないで!札幌市南区での80mの繊維工場周りの万年塀解体事例と費用相場

今回は、特にご相談の多い万年塀(コンクリート塀)の解体事例をご紹介します。近年、老朽化による万年塀の倒壊リスクが社会問題となっており、特に積雪や寒暖差の激しい北海道では、早期の点検・対策が不可欠です。

先日、札幌市南区にある繊維工場様より、敷地を囲む約80mの万年塀の解体をご依頼いただきました。老朽化の深刻な状況、詳細な解体手順、そして気になる費用について、包み隠さずお話しします。


1.老朽化が進行!万年塀の危険なサインを見逃すな

万年塀は、耐久性が高いコンクリート製品ですが、設置から数十年が経過すると必ず劣化が進みます。特に今回ご依頼いただいた工場様の万年塀は、相当な年数が経過しており、深刻な状態でした。

実際に確認された主な老朽化の症状

  • 垂直・斜めのひび割れ(亀裂): 万年塀の平板部分や、柱(支柱)部分に、髪の毛ほどの細い線から、指が入るほどの大きな亀裂まで、多数見受けられました。特に垂直方向や斜め方向のひび割れは、構造的な問題や内部の鉄筋の錆びによる膨張が原因である可能性が高く、倒壊のリスクが極めて高い危険なサインです。
  • コンクリートの表面剥離・欠け(爆裂): 塀の表面がボロボロと剥がれ落ち、内部の鉄筋が露出している箇所が複数ありました。鉄筋が空気に触れて錆び、その錆が膨張することでコンクリートを内側から押し出し、剥がしてしまう現象です。ここまでくると、塀の強度は大幅に低下しています。
  • 白華現象(エフロレッセンス)とコケ・カビの発生: 白い粉状のシミ(白華現象)が目立ち、湿気の多い場所では広範囲にコケやカビが付着していました。これらは美観を損ねるだけでなく、コンクリートを中性化させ、劣化をさらに早める要因となります。
  • 塀全体の傾き・ぐらつきの兆候: 目視でわずかながら塀が傾いているように見え、特に基礎部分の地盤沈下が懸念されました。強風や地震、そして北海道特有の凍上(地中の水分が凍って膨張し、地盤が持ち上がること)によって、倒壊する危険性が非常に高い状態でした。

これらのサインが見られた場合、万が一の事故を防ぐためにも、すぐに専門業者による点検と、早急な対策(解体・撤去)をご検討ください。


2.80m万年塀の解体・撤去の具体的な流れ

約80mという長い万年塀の解体は、安全第一で、周囲の環境に配慮しながら計画的に進める必要があります。

(1) 事前準備と近隣への配慮

  • 官公庁への手続き: 解体工事に必要な書類の提出を行います。
  • 近隣へのご挨拶: 工事期間、騒音、車両の出入りなどについて、事前に近隣住民や工場関係者の方々へ丁寧にご説明し、ご理解をいただきます。
  • 養生・安全対策: 解体材の飛散、粉塵の拡散、騒音を抑えるため、万年塀の周囲に防音・防塵シートを張った仮設足場や養生を徹底します。また、作業エリアを完全に区切り、第三者の立ち入りを厳重に制限します。

(2) 塀本体の解体(上部から順番に)

万年塀の解体は、危険を避けるため、**笠木(塀の一番上の蓋)→ 平板(板状の部分)→ 支柱(柱状の部分)**の順で行うのが鉄則です。

  1. 笠木と平板の撤去: 平板は一枚あたり40kg程度の重量があるため、手作業で慎重に取り外していきます。この際、笠木や平板を無理に外そうとすると、落下・破片の飛散などで非常に危険です。
  2. 支柱の撤去: 平板を全て取り外した後、支柱を重機と手作業で撤去します。

(3) 基礎部分の撤去(最も重要な工程)

万年塀の基礎は地中に深く埋まっており、これを残すと将来的な土地利用の障害となるため、原則として撤去します。

  • 重機での掘削: 基礎部分の周囲を重機で掘削し、基礎ごと引き抜きます。
  • 人力での破砕・撤去: 重機が入らない狭い場所や、隣地との境界ギリギリの箇所は、重機による掘削を避け、**ブレーカーやハツリ機(手持ちの電動工具)**を使ってコンクリートを細かく破砕し、人力で撤去します。

(4) 産業廃棄物の分別・運搬・処分

解体で発生したコンクリート塊(がれき類)は、法律に基づき適正に分別し、収集運搬許可を持つ車両で中間処理施設へ運びます。がれき類は再資源化が可能な廃棄物であり、環境に配慮した処理が求められます。

(5) 整地・清掃

基礎を撤去した後の地面を埋め戻し、平らに整地します。最後に、周辺の徹底的な清掃を行い、工事完了となります。


3.気になる万年塀の解体費用:80mの費用相場と内訳

今回の万年塀解体費用について、詳細なお見積もりは現地調査後に確定しますが、一般的な費用相場と内訳を解説します。

費用の考え方:撤去する面積(m2)または長さ(m)

万年塀の解体費用は、「塀の長さ」または「塀の面積(高さ×長さ)」によって計算されます。

一般的なブロック塀・万年塀の撤去費用の相場は、1mあたり 8,000円〜15,000円程度(税別)が目安となります。ただし、北海道の特殊な環境や、現場の状況によって大きく変動します。

80m万年塀の概算費用シミュレーション(札幌市南区)

項目数量単位単価(概算)金額(税別)備考
万年塀解体撤去費80m12,000円〜15,000円/m960,000円 〜 1,200,000円基礎撤去含む。重機利用可の場合。
産業廃棄物運搬処理費10t20,000円〜30,000円/t200,000円 〜 300,000円がれき類の量により変動。
仮設・養生費80m1,500円〜2,500円/m120,000円 〜 200,000円養生シート、安全柵の設置費用。
重機回送・諸経費1100,000円 〜 250,000円重機運搬費、現場管理費、届出費用など。
小計(税別)1,380,000円 〜 1,950,000円
消費税10%138,000円 〜 195,000円
合計金額(税込)1,518,000円 〜 2,145,000円

※上記はあくまで概算であり、実際の費用は現地の状況(重機の搬入可否、基礎の深さ、塀の高さ、隣地との距離、雪の有無など)によって大きく変動します。

費用が高くなるケース

  • 重機が入れない狭小地: 人力での解体・運搬作業が増えるため、人件費が大幅にアップします。
  • 地中深くまで基礎がある場合: 基礎の撤去に時間がかかり、掘削・運搬費用が増加します。
  • アスベスト含有の可能性がある場合: 万年塀はコンクリート製品なのでアスベスト含有の可能性は低いですが、塀に使用されている一部の建材にアスベストが含まれている場合は、調査費と特殊な処理費用が追加で発生します。

4.お客様の声:安心・安全な環境を取り戻して

今回の万年塀解体をご依頼いただいた、札幌市南区の繊維工場ご担当者様からは、工事完了後、大変嬉しいお声をいただきました。

繊維工場ご担当者様(札幌市南区・S様)

「長年、工場の周りを囲んでいた万年塀ですが、ひび割れや鉄筋の露出がひどく、特に冬場の凍上や地震のたびに『いつか倒れるのではないか』と不安でたまりませんでした。

貴社にご相談したところ、迅速な現地調査で老朽化の具体的な危険性や、冬季工事の注意点まで、非常に分かりやすく説明していただきました。

実際の工事も、近隣への挨拶を徹底してくださり、騒音や粉塵の対策もしっかりと行っていただいたおかげで、周囲からのクレームは一切ありませんでした。

約80mという長い塀の撤去にもかかわらず、手際よく、そして基礎の撤去までしっかり行っていただき、その後の土地の使い道についてもアドバイスをいただけました。

古い塀がなくなり、敷地全体が明るくなっただけでなく、何より社員や近隣住民の方々の安全を確保できたことが一番大きいです。本当にありがとうございました。」


まとめ:万年塀の解体は、安心と安全への投資です

万年塀の老朽化は、単なる美観の問題ではなく、人命に関わる重大なリスクとなります。特に北海道の厳しい自然環境は、劣化を加速させる要因になります。

「うちの万年塀も古いけれど、どこから手を付けていいか分からない」「費用がどれくらいかかるか不安」という方も、まずは専門家による無料の現地調査と診断をご利用ください。

私たち地元の解体業者が、安全で確実な解体工事を通じて、皆様の安心と安全な土地利用をサポートいたします。札幌市南区をはじめ、北海道内の万年塀解体に関するご相談は、いつでもお気軽にお声がけください!

弊社ではお見積りは無料なのでまずはお問合せください。