マニフェスト制度とは?マニフェスト制度を採用していない解体業者はどんな問題がある??
マニフェスト制度とは、産業廃棄物の適正な処理を確保するために、廃棄物の流れを伝票(マニフェスト)によって追跡する制度です。廃棄物の排出事業者、運搬業者、処分業者がそれぞれマニフェストに必要事項を記入し、廃棄物の移動状況を相互に確認することで、不法投棄や不適正な処理を防止する仕組みです。

マニフェスト制度の目的
- 産業廃棄物の不法投棄の防止
- 産業廃棄物の適正な処理の確保
- 産業廃棄物の排出事業者の責任の明確化
マニフェストの流れ
- マニフェストの交付: 排出事業者は、産業廃棄物を運搬業者に引き渡す際にマニフェストを交付します。
- マニフェストの運搬: 運搬業者は、マニフェストとともに産業廃棄物を処分業者まで運びます。
- マニフェストの確認: 処分業者は、産業廃棄物を受け入れたらマニフェストに受領印を押し、排出事業者に返送します。
- マニフェストの保管: 排出事業者は、返送されたマニフェストを一定期間保管します。
マニフェストの種類
- 紙マニフェスト: 従来から用いられている紙の伝票です。
- 電子マニフェスト: 情報処理技術を利用した電子的なマニフェストです。
マニフェスト制度の対象となる産業廃棄物
- 燃え殻
- 汚泥
- 廃油
- 廃酸
- 廃アルカリ
- 鉱さい
- がれき類
- その他、法令で定められた産業廃棄物
マニフェスト制度を採用していない解体業者の問題点
マニフェスト制度を採用していない解体業者は、以下のような問題を抱えている可能性があります。
- 不法投棄のリスク: マニフェストがないため、廃棄物が適正に処理されず、不法投棄されるリスクが高まります。これは環境汚染につながる重大な問題です。
- 違法行為の可能性: 廃棄物処理法では、マニフェストの発行が義務付けられています。これに従わない業者は、法律違反となります。依頼主である施主も、不法投棄に関与したとみなされ、責任を問われる可能性があります。
- 処理費用の不透明性: 適正な処理には費用がかかりますが、マニフェストを発行しない業者は、不法投棄など不適切な方法でコストを削減している可能性があります。そのため、処理費用が不当に安かったり、逆に不透明な費用を請求されたりする場合があります。
- 施主への不利益: マニフェストがない場合、施主は解体によって発生した廃棄物がどのように処理されたかを確認することができません。適正に処理されたか不安が残るだけでなく、不法投棄が発覚した場合に責任を問われるリスクも生じます。
- 悪質業者の可能性: マニフェスト制度を無視する業者は、法令遵守の意識が低い可能性があり、他の面でもずさんな工事を行うリスクがあります。
解体業者を選ぶ際には、マニフェスト制度をきちんと理解し、適正に運用している業者を選ぶことが非常に重要です。見積もり時にマニフェストの発行について確認し、交付されたマニフェストの写しを見せてもらうなどして、信頼できる業者かどうかを見極めるようにしましょう。
マニフェスト制度に関する情報
- 環境省: https://www.env.go.jp/recycle/waste/manifest.html
- 公益財団法人 産業廃棄物処理事業振興財団: https://www.jwnet.or.jp/jwnet/
ご不明な点がありましたら、環境省や都道府県の窓口、または産業廃棄物処理事業振興財団にお問い合わせください。