父が他界しました。札幌市に住んでますが家を建て替えたいと思います。解体における相続税控除とかありますか?
お父様のご逝去、心よりお悔やみ申し上げます。
解体工事そのものが相続税から直接控除されるわけではありません。しかし、相続に関連して解体を行う場合、税金面で考慮される点や、結果的に税負担が軽減される可能性のあるケースがいくつかございます。札幌市にお住まいだったお父様の家を建て替えるというご意向を踏まえ、以下に詳しく解説します。

1. 相続財産の評価額の減少の可能性
- 老朽化した家屋の評価: 相続された家屋が老朽化しており、価値が低いと評価された場合、その評価額は相続財産総額に計上される際に低く算定されます。解体することで建物自体の評価はなくなりますが、土地の評価は別途行われます。建て替えのために解体されるとのことですので、この点は直接的な影響は少ないかもしれません。
2. 相続税の債務控除の可能性
- お父様が生前に解体契約を締結し、費用が未払いの場合: もしお父様が生前に解体業者と契約を結んでおり、ご逝去の時点で解体費用が未払いとなっている場合、その未払い金は相続財産から債務控除として差し引かれる可能性があります。しかし、単なる解体の意向や見積もり段階では認められないことが多いです。契約が成立しており、支払義務が確定していることが重要です。
3. 相続後の不動産売却と譲渡費用
- 解体費用は譲渡費用となる: 相続された不動産を売却するために解体した場合、その解体費用は、不動産の売却によって得た利益(譲渡所得)から譲渡費用として控除できます。建て替えとのことですので、売却は想定されていないかもしれませんが、将来的に売却する可能性も考慮に入れると、この点は知っておくと良いでしょう。特に、空き家の3,000万円特別控除の適用を受けるためには、解体して更地で売却することが要件の一つとなっています(令和6年1月1日以降の譲渡については、買主が譲渡の翌年2月15日までに解体した場合も適用可能となりました)。
4. 建て替えに関する注意点
- 固定資産税: 家屋を取り壊すと、土地にかかる固定資産税の住宅用地の特例が適用されなくなり、税額が大幅に高くなる場合があります。建て替えの計画と合わせて、解体時期は慎重に検討する必要があります。
- 札幌市の補助金制度: 札幌市では、危険な空き家の解体に対して補助金制度を設けている場合があります。「札幌市危険空家等除却補助制度」をご確認ください。建て替えの計画によっては、この制度を利用できる可能性があります。
今後の進め方
まずは、相続された不動産の状況(建物の老朽度合い、建て替えの計画など)を整理し、以下のいずれかの専門家にご相談されることを強くお勧めします。
- 税理士: 相続税の計算や申告、不動産売却に関する税金、建て替えに伴う税金について、専門的なアドバイスを受けることができます。
- 弁護士: 相続の手続き全般や、遺産分割などについて相談できます。
- 不動産業者: 不動産の評価額や建て替えの可能性について情報を得られます。
札幌市内にも相続に強い税理士や弁護士事務所は多数ございますので、一度ご相談されてみることをお勧めいたします。