放置すると危険!受水槽の解体・撤去が今すぐ必要な理由と具体的な手順
はじめに
かつて集合住宅や商業施設、病院などで広く利用されていた「受水槽(貯水槽)」。しかし近年では、水道直結給水方式が普及したこともあり、老朽化した受水槽がそのまま放置されているケースが増えています。
「今は使っていないから放っておいても問題ないだろう」
「撤去費用がかかるから後回しでいい」
そう考えて放置してしまうと、建物の資産価値や安全性、さらには衛生面にも大きなリスクを抱えることになります。
本記事では、受水槽を放置することで生じる危険性、解体・撤去が必要な理由、実際の撤去手順、そして費用の相場について詳しく解説していきます。
1. 受水槽とは?役割と仕組みをおさらい
受水槽とは、水道本管から供給される水を一度ためてから、建物内へ配水するための設備です。

主な役割
- 水圧の安定化
- 災害や断水時の一時的な水の確保
- 大規模施設への効率的な給水
特に高度経済成長期には高層マンションやオフィスビル、病院などに必須の設備でした。
しかし、近年は水道インフラの整備が進み、水道直結方式が一般的になったため、受水槽は「不要設備」となるケースが増えています。
2. 放置された受水槽が抱えるリスク

(1) 衛生リスク
- 長期間使われていない受水槽の内部には、雨水・落ち葉・虫・小動物の死骸が混入する可能性があります。
- 放置されたままの水が腐敗し、悪臭や害虫の発生源になることもあります。
(2) 建物の劣化
- 鉄製の受水槽はサビが進行し、穴あきや水漏れを引き起こす可能性があります。
- コンクリート槽でも、ひび割れや劣化によって雨水が浸入し、建物全体の劣化を促進してしまう危険があります。
(3) 景観・資産価値の低下
- 老朽化した受水槽は外観からも目立ちやすく、建物全体の印象を損ねます。
- 賃貸や売却の際にマイナス評価となり、資産価値を下げる要因になります。
(4) 法的・安全面での問題
- 倒壊や落下事故のリスク
- 一部自治体では、一定規模以上の受水槽について管理責任を所有者に課しているケースがあります。
放置は「管理不全」と見なされ、トラブルにつながる可能性もあります。
3. 受水槽の解体・撤去が必要な理由
以上のリスクを踏まえると、使用していない受水槽を撤去することは、建物の安全性・資産価値・周辺環境の維持に直結します。
- 不要な維持費の削減:清掃や点検を続ける必要がなくなる
- 建物の見た目が改善:景観が向上し、入居者や購入希望者に好印象を与える
- 安全性の確保:倒壊や漏水などの事故を防ぐ
- 将来的なトラブル防止:法的な責任や近隣トラブルを未然に回避
「今は問題がないから放置」ではなく、「今は問題がないからこそ早めに撤去」が賢明な選択です。
4. 受水槽の解体・撤去の具体的な手順
手順① 現地調査・見積もり依頼
- 解体業者に依頼し、現地調査を行います。
- 受水槽の材質(FRP・ステンレス・コンクリート)、大きさ、設置場所(屋上・地上)、周辺環境によって費用が変わります。
手順② 配管の止水・撤去
- 受水槽と建物内の給水配管を切り離します。
- 必要に応じて直結給水工事を行い、受水槽を使わなくても水が供給できるようにします。
手順③ 受水槽本体の撤去
- FRP(繊維強化プラスチック)やステンレス製は解体して運搬。
- コンクリート製は内部を砕きながら撤去するため、工期・費用が高くなる傾向があります。
手順④ 搬出・処分
- 解体した部材を搬出し、産業廃棄物として処分します。
- 処分費用は材質や量により異なります。
手順⑤ 跡地の復旧
- 屋上なら防水処理、地上なら基礎部分の整備を行います。
- 建物の美観を損なわないように仕上げることが重要です。
5. 受水槽撤去の費用相場
受水槽の撤去費用は、材質・容量・設置場所・搬出経路によって大きく変動します。以下は一般的な目安です。
FRP製・ステンレス製(小型・中型)
- 容量:1〜10トン程度
- 設置場所:地上や低層屋上
- 費用相場:20万〜80万円
大型受水槽(10トン以上)
- 設置場所:屋上・地下ピットなど
- 重機や人力解体が必要
- 費用相場:80万〜200万円
コンクリート製受水槽
- 頑丈で解体に時間と手間がかかる
- 重機・産廃費用が高い
- 費用相場:100万〜300万円
追加費用の例
- 高層階からの搬出費
- 防水工事費
- 直結給水工事(20万〜50万円前後)
6. 業者選びのポイント
- 受水槽撤去の実績が豊富か
特殊工事のため、経験がある業者を選ぶことが重要です。 - 見積もりが明朗か
解体費・搬出費・処分費・復旧費など、項目ごとに明細があるか確認しましょう。 - 直結給水工事まで一括対応できるか
水道工事と撤去工事を別業者に依頼すると、調整が複雑になりやすいです。 - 産業廃棄物処理の許可を持っているか
不法投棄のリスクを避けるため、必ず確認してください。
7. まとめ
受水槽はかつて建物に欠かせない存在でしたが、現代では「不要になった老朽設備」として放置されがちです。しかし、放置は衛生・安全・資産価値において大きなリスクを生みます。
解体・撤去には一定の費用がかかりますが、早めに対応することで余計な修繕費やトラブルを防げるのも事実です。
もしご自宅や所有物件に使われていない受水槽が残っている場合は、専門業者に相談し、早めの撤去を検討してみてはいかがでしょうか。
弊社ではお見積りは無料なのでまずはお気軽にお問合せください。
はじめまして、解体くん編集部・スタッフです。主に解体工事の施工内容や関係法令、お客様へお得な情報を掲載しております。解体工事は人生で1度あるかないかのイベントで、施工前はみなさん心配になります。そんな不安を解消できるようお客様へ有益な情報を提供できるよう心掛けてまいります。もし解体に対してご不明な点等ございましたらお気軽にお問合せください。