【放置厳禁】築〇年以上の建物は「地震時倒壊予備軍」!所有者が知るべきリスクと対策

はじめに:その建物、本当に大丈夫ですか?

近年、日本全国で大地震の発生が危惧されています。「いつか来る」と言われる巨大地震に備え、私たちは何をすべきでしょうか。

最も大きな問題の一つは、古い建物の存在です。特に築40年以上(※)の建物は、現在の耐震基準を満たしていないことが多く、大地震が発生した際に倒壊のリスクを抱えています。

(※)ターゲットとする具体的な年数に置き換えてご使用ください。本記事では、1981年(昭和56年)の新耐震基準導入前に建てられた建物を念頭に置いて解説します。

もしあなたが古い建物の所有者であれば、その建物を「単なる古い家」と放置しておくことはできません。それは、ご家族や近隣住民の命を危険にさらす**「地震時倒壊予備軍」**かもしれません。

この記事では、解体業者である私たちが、古い建物の所有者が知るべきリスクと、建物の安全性を確保するための具体的な対策について、詳しく解説します。


1. 放置された「古い建物」が地震で抱える致命的なリスク

古い建物の倒壊リスクを理解するためには、まず日本の耐震基準の変遷を知る必要があります。

1-1. 新耐震基準と旧耐震基準の決定的な違い

建物の安全性を図る上で、最も重要なのが**「新耐震基準」「旧耐震基準」**の違いです。

  • 旧耐震基準(1981年5月31日以前): 震度5程度の中規模地震で建物が「すぐに倒壊しない」ことを目標としていました。
  • 新耐震基準(1981年6月1日以降): 震度6強〜7程度の大規模地震でも建物が「倒壊・崩壊しない」ことを目標としています。

この基準の違いは決定的です。旧耐震基準で建てられた建物は、現在の基準から見ると、大規模地震に対する抵抗力が圧倒的に不足していると言わざるを得ません。

1-2. 倒壊だけではない!所有者が負うべき「二次的リスク」

地震で建物が倒壊した場合、所有者は単に資産を失うだけでは済みません。以下のような二次的リスクが発生します。

  1. 人命に関わる加害責任: 倒壊した建物によって近隣住民や通行人が怪我をしたり、亡くなったりした場合、所有者は損害賠償責任を問われる可能性があります。
  2. 二次災害の発生: 倒壊によって道路を塞ぎ、消防車や救急車の通行を妨げる可能性があります。これは災害時における人命救助活動の大きな障害となり、社会的な責任も問われかねません。
  3. 多額の解体・撤去費用: 災害によって倒壊した建物の解体・撤去費用は、通常の解体よりも高額になる傾向があります。さらに、災害直後は業者の手配も困難になりがちです。

古い建物を放置し続けるリスクは、単なる「もったいない」という感情論ではなく、人命と経済的な責任に関わる重大な問題なのです。


2. まず知るべき!あなたの建物の安全度チェックと最初の行動

古い建物の所有者は、まずご自身の建物がどの程度の危険を抱えているのかを把握することから始めるべきです。

2-1. 建物の構造上の問題点セルフチェック

以下の項目に複数該当する場合、専門家による診断を急ぐべきです。

  • 基礎部分のひび割れや露出: 基礎コンクリートに幅0.3mm以上のひび割れがある、あるいは地盤沈下で基礎が傾いている。
  • 壁や柱の傾き・ゆがみ: 建物全体のゆがみや、柱と壁の接合部に隙間ができている。
  • 老朽化による腐食・シロアリ被害: 木造の場合、土台や柱がシロアリによって食害され、スカスカになっている。
  • 増改築の履歴: 過去に適切な構造計算を伴わない増改築(壁を取り払うなど)を行っている。

2-2. 専門家による「耐震診断」を依頼する

セルフチェックで不安を感じたら、すぐに専門家による**「耐震診断」**を依頼しましょう。

耐震診断は、建物の設計図、地盤の状況、現在の劣化具合などを詳細に調査し、新耐震基準と比較してどの程度の耐震性能があるかを数値で評価するものです。

多くの場合、自治体が耐震診断の費用を補助する制度を設けています。まずはご自身の自治体の窓口に問い合わせてみるのが最も賢明な第一歩です。


3. 古い建物の所有者が取るべき「2つの対策」

耐震診断の結果、耐震性能が低いと判断された場合、所有者には**「耐震補強」「解体」**という、大きく分けて二つの選択肢があります。

3-1. 対策A:地震に備える「耐震補強」

建物を今後も利用し続けたい場合は、耐震補強を検討します。

<耐震補強のメリット>

  • 利用継続: 思い出のある建物を残し、住み続けることができます。
  • 資産価値維持: 耐震性能が向上することで、建物の資産価値が向上し、売却時のアピールポイントになります。

<耐震補強のデメリット>

  • 費用と期間: 補強工事には数百万円単位の費用と、数ヶ月の工期が必要です。
  • 完全な安全性ではない可能性: 旧耐震基準の建物を新耐震基準と同等レベルにまで引き上げるのは非常に難しく、費用も高額になるため、**「倒壊を免れるレベル」**を目標とすることが一般的です。

耐震補強は、あくまで**「倒壊を防ぐ」**ための措置であり、損傷を完全に防ぐものではないことを理解しておく必要があります。

3-2. 対策B:リスクを根本から断つ「解体」

建物の利用予定がない、または耐震補強費用が高額すぎる場合は、解体こそが最もリスクの低い選択肢となります。

<解体の最大のメリット>

  • リスクゼロ化: 地震による倒壊・二次災害のリスクを根本から完全にゼロにできます。
  • 管理コストの削減: 固定資産税の節約(※ただし、家屋の固定資産税は上がります)、火災保険料、維持管理にかかる手間と費用のすべてを削減できます。
  • 土地活用: 更地になることで、売却駐車場経営新築アパート建設など、土地活用による収益化の道が開けます。

<解体のデメリット>

  • 固定資産税の増加: 建物がなくなることで「住宅用地の特例」が適用されなくなり、土地の固定資産税が最大で6倍になる可能性があります。これは解体を決断する上で最も注意すべき点です。
  • 初期費用: 数百万単位の解体費用が発生します。

4. 解体を選ぶなら知っておきたい「費用」と「業者選び」

解体を決断した場合、最も気になるのが費用と、信頼できる業者選びです。

4-1. 解体費用の目安と補助金制度

解体費用は、建物の構造(木造・鉄骨・RC造)や面積、そして付帯工事(残置物の処分、庭木の伐採など)によって大きく変動します。

構造坪単価の目安(付帯工事除く)
木造坪あたり 2.5万円〜3.5万円
軽量鉄骨造坪あたり 3万円〜4万円
RC(鉄筋コンクリート)造坪あたり 4万円〜6万円

価格 – 解体工事の専門サイト・解体くん

【重要な費用対策:補助金の活用】

多くの自治体では、旧耐震基準の建物を解体する場合、補助金制度を設けています。解体費用の一部をカバーできる可能性があるため、必ず解体業者や自治体の窓口に相談しましょう。この補助金は予算に限りがあるため、早期に申請手続きを行うことが重要です。

4-2. 失敗しない解体業者の選び方

解体工事は「安ければ良い」というものではありません。建物の倒壊リスクや、解体後の土地活用を見据えた業者選びが必要です。

  1. 見積もりの内訳が明確か: 「一式」で済ませず、解体費用、産業廃棄物処分費用、付帯工事費などが詳細に記載されているか確認しましょう。
  2. 必要な許認可を所持しているか: 建設業許可または解体工事業登録産業廃棄物収集運搬業許可など、法令を遵守している業者であることを確認します。
  3. 周辺環境への配慮: 騒音や振動、粉塵対策について、近隣への配慮を怠らない業者を選びましょう。これが不十分だと、解体後に近隣トラブルに発展する可能性があります。
  4. 複数の業者から相見積もりを取る: 最低でも3社以上から見積もりを取り、適正価格業者の対応を比較検討することが成功の秘訣です。

5. まとめ:決断を先延ばしにしない「未来への投資」

古い建物を放置することは、地震という避けられないリスクを、ご自身と周囲の人々に負わせ続ける行為です。特に築40年以上が経過し、旧耐震基準で建てられた建物は、いつ大規模地震が来てもおかしくない現代において、時間とともにリスクが高まる「時限爆弾」とも言えます。

耐震診断耐震補強、そして解体。どの選択肢を取るにしても、その決断は、ご自身の安全資産、そして社会的な責任を守るための未来への投資です。

**「まだ大丈夫」**という根拠のない楽観論を捨て、解体業者という専門家の視点も参考に、いますぐ行動を起こしてください。

あなたの建物とご家族の安全を確保するための最初の一歩、私たち解体業者が全力でサポートいたします。まずは一度、お気軽にご相談ください。

弊社ではお見積りは無料なのでまずはお問合せください。