土地を相続する前に知るべき5つのこと
土地の相続は、人生においてそう何度も経験することではありません。そのため、いざというときに「何から始めたらいいのか分からない」「相続税ってどれくらい?」「共有名義にしても大丈夫?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。
今回は、土地を相続する前にぜひ知っておいてほしい 「5つのポイント」 をわかりやすく解説します。相続トラブルを未然に防ぎ、スムーズに手続きを進めるためにも、ぜひ最後までお読みください。
1. 相続人の確認は最優先!遺産分割の基本
土地を相続する際、まずやるべきなのが**「相続人の確定」**です。被相続人(亡くなった人)の戸籍謄本を取り寄せ、生涯の婚姻・離婚・出生記録などを確認して、法定相続人を明らかにします。
▷ 法定相続人の例
- 配偶者(常に相続人)
- 子ども(または孫)
- 親(子がいない場合)
- 兄弟姉妹(子も親もいない場合)
相続人が複数いる場合、遺産分割協議が必要です。この協議では、相続人全員が話し合って、誰が何を相続するかを決める必要があります。
✅ 注意点
- 1人でも協議に同意しないと相続登記はできません。
- 相続人に連絡が取れない、行方不明などの場合、調停や裁判が必要になることもあります。
2. 土地の価値と相続税を把握しよう
土地を相続する際には、その評価額に応じて相続税が発生する可能性があります。
▷ 土地の評価方法
- 路線価方式(市街地など):国税庁が公表する「路線価」を基に評価
- 倍率方式(地方部など):固定資産税評価額 × 地域の倍率で算出
▷ 相続税がかかるケースとは?
基礎控除の金額を超えた場合に課税されます。
相続税の基礎控除:
コピーする編集する3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
例えば、相続人が2人なら
→ 3,000万円 +(600万 × 2)= 4,200万円まで非課税。
不動産が主な遺産の場合、現金が少なく「相続税が払えない」というケースもあるため、事前に税理士など専門家に相談するのがおすすめです。
3. 相続登記は義務化!放置はNG
2024年4月から、相続による不動産登記が義務化されました。これにより、土地の相続登記を怠ると過料が科される可能性があります。

▷ 義務化の内容(2024年4月〜)
- 相続発生から 3年以内に登記申請が必要
- 違反した場合、10万円以下の過料の可能性あり
土地を相続したら、法務局にて「相続登記」を行いましょう。登記を済ませていないと、売却や担保設定もできません。
4. 共有名義にするリスク
兄弟や親戚と土地を共有名義で相続するケースは多いですが、後々のトラブルの元になることも少なくありません。

▷ 共有名義のリスク
- 売却や利用には共有者全員の同意が必要
- 1人が亡くなると、その相続人が権利を引き継ぎ、関係が複雑化
- 建物の建築・解体も自由にできないことがある
できれば、単独名義にして、他の相続人には代償金を支払うなどの方法を検討することをおすすめします。
5. 土地の管理・活用方法を考える
相続した土地は、維持費がかかることもあります。固定資産税や草刈り、老朽化した建物の管理など、思ったより手間がかかることも。
▷ 相続後の選択肢
- 自分で住む/貸す:空き家対策として活用できる
- 売却する:遺産分割後に売却して現金を分配
- 管理のみ行う:しばらくそのまま所有するが、維持費には注意
特に、都市部でない土地や不便な立地の場合、「売れない」「使い道がない」といった悩みも出やすいので、早めに活用や売却の計画を立てましょう。
まとめ|相続は「知っているかどうか」で大きく差が出る
土地の相続は、感情面だけでなく法的・金銭的な側面も多く含むため、知識と準備が不可欠です。今回ご紹介した「5つのポイント」を踏まえて、家族で話し合い、必要に応じて専門家にも相談しておくと安心です。
✅ おさらい:土地相続前に知るべき5つのこと
- 相続人の確認と遺産分割協議
- 土地の評価額と相続税の確認
- 相続登記の義務化と手続き
- 共有名義のリスク
- 土地の活用・管理方法の検討
相続は「いざ」というときに慌てないよう、生前からの準備と知識の積み重ねがとても重要です。未来のトラブルを防ぐためにも、今から少しずつ備えていきましょう。